エシカル日本 > ファッション展示会で「サステイナブル」編集エリア開設~企業CSRも参加 フェアトレードコットン目立つ
ニュース
2015/07/30

ファッション展示会で「サステイナブル」編集エリア開設~企業CSRも参加 フェアトレードコットン目立つ

fukuhara
エシカル日本

 日本最大規模のファッションの展示会に、「サステイナブル・ファッション」エリアが初めて開設された。フェアトレードやオーガニックなど持続可能(サステイナブル)なものづくりをコンセプトにした編集区画で、9社・12小間が出展した。総合商社・豊田通商とそのグループ会社がフェアトレードで作られたコットン製品のバリューチェーン展開を初めて紹介するなど、企業のCSR活動からエシカルファッションのブランドまで幅広く揃い、同展の担当者は「予想を裏切るほどの手応えがあった。次回はかなり拡大したい」と述べる。
 「サステイナブル」の編集区画が新たに誕生したのは、ファッションビジネスの合同展示会、「JFW インターナショナル・ファッション・フェア(JFW-IFF)」(主催・繊研新聞社)。百貨店や専門店のバイヤーなどを対象に2000年から年2回開かれており、今回は22日から24日にかけて、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。
 業界の潮流に沿って独自の視点で区画を編集する同展は今回、8つの区画(ゾーン)を開設した。そのうち国産にこだわるブランドを集めた「メード・イン・ジャパン・ブランド」と「サステイナブル・ファッション」の2つのゾーンが新設だ。
 受付のすぐ側、会場中央に設けられた「サステイナブル」ゾーン。「展示会の目玉」としてお披露目された今回、目立っていたのは「フェアトレードコットン」の取り組みだ。

IMG_6068.JPG
 豊田通商は昨年、インドやセネガルの生産者から適正な価格で綿花を購入し、紡績、製造・販売に至るまでの工程をグループ4社で連携して行う体制を構築した。バリューチェーン(供給網)で展開する初めてのプロジェクトで、これにより国際フェアトレード認証ラベルを取得。同展で初披露した。
 オーガニックコットンを使ったタオルや子供服などの繊維製品は広く認知される一方で、「フェアトレードコットン」の製品は国内でほとんど流通していない。認証製品のほとんどはチョコレートやコーヒーなどの食品だ。原料生産から製品化までの全工程で独自基準の達成を求められるため、製造工程が多岐にわたるアパレル製品が取得するのは困難だったという。

 グループ企業との協業により、バリューチェーンでの一貫した提案を可能にした同社。フェアトレードコットンのTシャツや靴下などの製品を、ブランドからのOEMで供給する事業を展開する考えだ。
 バリューチェーンのうち、綿花の購入を担うグループ会社、東洋綿花の岡田光生社長は、欧州のフェアトレード市場拡大を背景に「認知度が1番の課題だが、時間の問題だ」と話す。他社を先駆けて仕組みを構築したことで、「フェアトレードの精神を広め、社会貢献するとともに会社として市場が大きくなったときに市場を獲っていきたい」という。

IMG_6074.JPG
 また、同展の会場スタッフが着用する赤や青のTシャツもフェアトレードだ。「サステイナブル」ゾーンに出展した企業の一つ、フェアトレードコットンイニシアティブが独占販売するインドのブランドのもの(上写真)で、国際フェアトレード認証とオーガニック(GOTS)認証の2つを同時に取得している。

 インドの提携先を通じて生産したフェアトレード製品のOEM事業も展開する同社の入江英明社長は、「世界共通言語のフェアトレードはグローバル展開に有効として、企業の関心が高まっている。企業にも使ってもらい、身近に社会貢献してもらいたい」と述べる。企業ノベルティの他、ホテルのベッドリネンや大学・NGOのオリジナル製品にも使われている。

環境新聞2015年7月29日付掲載

Facebookで更新情報をチェック!

関連記事