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2015/09/17

倫理的消費、信頼が課題 法制化が起爆剤に~消費者庁研究会

fukuhara
エシカル日本

  消費者庁の倫理的消費調査研究会が先月25日に開かれ、倫理的消費の市場拡大には消費者の認知と信頼の獲得が必要であり、法制化が起爆剤になるとした声が委員らから上がった。
 3回目となる今回は倫理的消費の必要性・効果や定義・範囲について検討した。イオンやサラヤ、パナソニックなど、環境ラベル製品を展開する企業の委員らが中心に発表した。
 企業らの発表を受けて、佐野真理子委員(主婦連合会参与)は「情報がうまく共有されていない。私たちが物を選ぶときに腑に落ちていない。そこをいかに共有していくか」と問題を提起した。
 中原秀樹委員(東京都市大学教授)は企業がこれまでに何度も消費者を裏切ってきた背景から、「本当にこれはエシカルなのか、環境に良いのか。消費者はおいそれとは信用しない」と指摘。「どうやって信用できるものにするかということを考えないと市場の拡大は難しい」と注意を促した。
 消費者の信頼を得る手段として、西村隆男委員(横浜国立大学教授)は法制度化を挙げて「国民的財産として成長させていくためには、ムーブメントなり法制化なり、国民に分かる形にしていく必要がある。エシカル消費促進法を検討の課題にしていただきたい」と提案した。それに対して同庁の板東久美子長官は「法律を作っていくことが単に形だけになる心配もある。まずは知られていない、信用されていないというところをどう変えていくか」として、研究を深める必要性を指摘した。
 坂東長官のコメントを受けて、足立直樹委員(レスポンスアビリティ社長)は「何らかの法律があったほうが急速に進められる。公共の消費が重要だ。公共の調達は、経済全体の1割か2割を占める。グリーン購入法はあるが、倫理的な部分は含まれていなかった。これは大きな起爆剤になるのでは」と期待を示した。

環境新聞9月9日付掲載

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