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2015/11/04

少女の自立導くアクセサリー ~フーヒップ16年春夏展示会

fukuhara
エシカル日本

  エシカルアクセサリー・ブランドの「Phu hiep(フーヒップ)」はこのほど、東京都内で2016年春夏商品の展示会を開いた。シルバーやゴールドのチェーンに、鮮やかな色が目を引くタッセルやリングなどのモチーフがあしらわれたネックレスやピアスなどで、ベトナム中部の都市、フエにあるフーヒップ地区で育った貧しい少女たちが手作業で作っている。

  「商品を包装するとき、少女たちは一つ一つおまじないをかける。丁寧にものづくりをするということ、長い目で作り手を育てるということを一番大切にしている」と、代表の大野真貴子氏は話す。

 フーヒップは現在、10代から20代の女性15人を雇用している。元船上生活者の強制居住区で生まれ育ち、ほとんど教育を受けられなかった少女たちだ。親によって不当な労働を強制される彼女たちを自立に導くため、「仕事とは何か」も理解できない彼女らに一から職業訓練を施した。作り手の少女たちを「アーティザン(職人)」と呼び、シーズンを重ねるごとに新たな技術を習得できるよう新たな素材や手法などがその都度デザインに取り入れられている。

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 フーヒップのアクセサリーは、少女たちが糸を編み込んで作った繊細なモチーフが特徴だ。

  来年春から展開する「RIU」シリーズのブレスレットには、日本の伝統工芸「組み紐」の手法を取り入れた。つややかな質感を持つレーヨンの糸を使い、セットで使えるフープピアスやアンクレットも揃えている。

 雇用による自立支援とともに、地域全体の復興も目指す同ブランド。売り上げの一部は地域の子供たちの教育支援に役立てられている。不定期でワークショップを開き、金銭の管理や衛生管理、栄養管理など社会的なスキルを学ぶ機会も作っている。

「自分の努力で人生を変えられることを教えたい」――。暴力やドラッグが横行する地域で憧れられる大人の存在がなかった少女たちは、夢を持つことにも慣れていなかった。仕事を通じて「デザイナーになりたい」「自分の店を持ちたい」などの夢を持つようになった少女たちに、実現のためのステップを指導し仕事への意欲や努力を促しているという。

 フーヒップの製品は現在、自社のECサイト(http://www.phu-hiep.com/)の他、国内外のセレクトショップやホテルのブティックなど約20店舗で販売されている。

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写真は上から「RIU」シリーズのブレスレット(8500円)・アンクレット(5500円)、真鍮のチェーンにコットンのタッセルを使った「GINGER」シリーズのネックレス(7200円)とピアス’(7200円)、シルバーのチェーンを使った「ACCA」シリーズのネックレス(11500円)とピアス(8500円)、ブレスレット(7500円)

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