自然から着想、女性の興味を喚起~KOI、16年春夏コレクション
fukuhara女性用ファッションブランドのKOIは先月13日から16日にかけて、東京都内で2016年春夏商品の展示会を開いた。「アフリカ」をテーマに、デザイナー・小井康嗣氏による手書きの線画を基に彩色したシルクのプリントドレスを中心に、白・黒・赤を基調としたドレスやワンピースなどが揃った。
「ベースは自然。ブランドのコンセプトは絶対にぶれない」――。オートクチュールブランドのジャンニ・ヴェルサーチでプリントのデザインを行ってきたデザイナー・小井氏のオリジナルブランド「KOI」は、今回で3シーズン目となる。早くも大手百貨店や高級セレクトショップで取り扱われる人気ブランドだ。
得意のプリント柄は、自然からインスピレーションを受けたもの。オートクチュールの精巧な裁断・縫製技術を取り入れたドレスやワンピースの多くは、シルクやコットンなどの天然素材で作られている。
ダイビングを趣味とする小井氏は、自然の変化を肌で感じていた。「環境の変化は確か。海に入ると、自然がどんどん変わっていくのを感じる」という。海水温が2℃から3℃上昇し海に棲む生き物も変化する中で、デザインのインスピレーションを得てきた。
「エレガントを切り口として、普通の女性がかわいいと思えるところから発信したい」と小井氏は話す。「自然のものに触れると、自然に対する興味も生まれる」。天然素材のドレスを通じて、「自然はこうなんだと、シルクや綿はこんなに良いんだと伝えていきたい」という。
同ブランドは国内生産にもこだわる。全製品を国内の縫製工場で生産しており、ブランドの継続を通じて職人の技術伝承を支援する考えだ。適正な工賃を支払い、適正な価格で販売する「国内産業を支援するフェアトレード」として、「きっちりやっていきたい」と話している。
写真は上から、(左・黒のミニドレス(シルク100%、19万5千円)、中・花柄のドレス(シルク100%、43万円))、(左・グリーンのミニドレス(3万7千円)、白のトップス(5万1千円))、(デザイナー・小井康嗣氏)