JTBの田川会長が第17回エシカル朝食会で講演
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日本エシカル推進協議会(JEI、代表:山本良一東京大学名誉教授)は14日、東京都千代田区の学士会館で第17回エシカル朝食会を開催した。今回は、田川博己・ジェイティービー会長(下写真)が登壇し、「ツーリズムの世界の潮流と日本のエコツーリズムの現状」をテーマに講演した。
ツーリズムは世界的に拡大しており、2016年の国際観光客到着数年平均伸び率(2016年)は世界全体で3.9%、そのうちアジア・太平洋地区は8.4%となっている。また日本の観光競争力は、2017年の国際競争力ランキングで4位にランクされ、2013年の14位、2015年の9位から順調に躍進している状況にある。一方、各項目別では、「ビジネス環境」や「保険・衛生」、「人的資源」、「陸上交通インフラ」は高評価を得ているものの、「サービスインフラ」が85位、「自然的資源」の魅力度が66位、認知度が60位と低迷している。
田川氏は、「日本のエコツーリズムには、資源保護・地域振興・観光保全の3大要素が重要」との認識を示す。地域資源の保護と観光業の成立、地域振興の融合をめざす観光の考え方で、資源の健全な存続による地域経済への貢献を狙うもの。それによって、地域の暮らしは安定し、旅行者にも魅力的な資源とのふれあいの機会が永続的に提供される。国内では今、環境省を中心に、インバウンド(訪日外国人)の利用を促進するための「国立公園満喫プロジェクト」が推進されており、そのために「欧米人(の観光客)も増やすことが大切」と指摘。「世界水準の『ナショナルパーク』として国立公園のブランド化を進め、日本の伝統文化や生活と融合した滞在・受入環境の整備や人材育成が重要」と述べた。
また講演の前には、NPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事から「エシカルな動物園・水族館の新しい形」について、傘メーカー「サエラ 」統括マネージャーの山田敦氏から「エシカルな傘の取り組み」について、2つの特別報告があった。
なお、今回のエシカル朝食会のメニューは下記の通り。
・大野村農園(福島) 自然飼育たまごと秀明ナチュラルファームの大根(滋賀)
・白菜(千葉)のアルミホイル包み
・千葉県香取市の吉田さん サトイモのマリネ
・秀明ナチュラルファームの男爵芋(滋賀)サラダ
・エクアドルバナナ
・牛乳、ジュース
・米粉パン
・エシカルジャム
・コーヒー(フェアトレード商品)