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日本エシカル推進協議会
2018/09/12

日建設計の羽鳥達也氏が講演、第23回エシカル朝食会

fukuhara
エシカル日本

日本エシカル推進協議会は8月22日、東京都千代田区の学士会館で第23回エシカル朝食会を開催した。今回は、日建設計設計部長の羽鳥達也氏(下写真)が登壇し、「超高層木造プロジェクトW350 から考える環境と建築の関係」について講演した。

「W350」は創業350年を迎える住友林業が企画し、日建設計がデザインしたプロジェクト。2041年に都市の真ん中に地上350m・70階建ての超高層木造ビルを建設する計画だ。羽鳥氏は、「木造化は炭素の固定量を増やし、約10万トンのCO2を炭素として固定する。木材需要の拡大は林業の活性化と森林保全を促進し、さらにCO2吸収量を確保できる」と話す。

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ビル建設に使用する木材の量は18万5000立方メートルで、木造住宅に換算すると約8千棟に上る。プロジェクト発表後、「燃えたら巨大なキャンプファイヤーになる」「森林伐採するのは環境破壊になるのではないか」など、国内外から数多くの疑問や批判が寄せられていたが、日本では1年間に約45万棟の木造住宅が建設される中、プロジェクトの使用量はその1.7%で「微々たるもの」だという。

木造化に伴う耐火や避難の課題を改善する方法の一つが、スギ材の性能を高める「ケボニー化」技術だ。日本の森林の4割にあたる人工林の杉は軟らかく、寸法が安定しない。ケボニー化の特殊な加工により、耐火性能を高め、強度の向上や寸法の安定化も見込めるとしている。

木材の加工後、残材をバイオマス資源として利用するほか、子どもの環境教育にも役立てられるとして、SDGsの達成に向けて、「人と木、自然が共生できる環境木化都市に向け、木材の利用が広がっていって欲しい」と羽鳥氏は展望を語った。

 

なお、講演の前には、日本ビオホテル協会の中石和良代表理事と中石真由子理事から、「BIO HOTEL 普及の内外動向とサステナブル社会実現への貢献について」について特別報告があった。

今回のエシカル朝食会のメニューは下記の通り。

・大野村農園(福島) の自然飼育たまごとじゃがいも(千葉)、人参(千葉)のホイル焼き

・ホーンパプリカ(北海道)のベーコン焼き

・ルッコラ(静岡)のサラダ

・バナナ(ペルー)

・エシカルジャム

・牛乳

・ジュース

・米粉パン

・コーヒー(フェアトレード商品)

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