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2016/10/13

巨大なコルク栓の椅子 約350個のコルク栓から再生

fukuhara
エシカル日本

 先月開催された「rooms33」(主催・アッシュ・ペー・フランス)の「エシカルエリア」に足を踏み入れると、まず初めに目に飛び込んでくるのが、再生コルクを使ったインテリア製品やテーブルウェアのブランド「東京コルク」のブースだ。今回が初出展となる。

 巨大なコルク栓をフレームに載せたようなデザインが印象的なスツールは、約350個のコルク栓を再生して作られた。全てハンドメイドで、シャンパンコルクをイメージしたものだ。

 この他にランチョンマットやコースター、ポットスタンド(鍋敷き)などのテーブルウェアも多様に揃う。これらの商品は全て、飲み終わったワインやシャンパンのコルク栓を原料に作られている。

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 日本では近年、ワインの消費量が増えており、東京都内だけで年間約1億2千万本(2012年調査による)が消費されている。その多くに使用されているコルク栓に着目したのが同ブランド。東京は「再生資源の宝庫」と捉え、コルク栓を収集し再資源化する「東京コルクプロジェクト」を発足した。

 東京都内を中心に、ワインを提供する飲食店などに協力を要請。都内約500店舗、全国約750店舗にコルク栓の回収ボックスを設置した。年間約9㌧のコルク栓が集まるという。

 そこから、障害者雇用によりコルクと金属などを分別。国内のコルク製造業者で破砕、圧縮されて、コルク製品に使われるブロックやボード、シートなどの素材となる。

 コルク栓は再生利用しやすく、特にワインを多く消費するフランスやベルギーなどの欧米諸国でリサイクルが進んでいる。

コルク栓を循環することで、特にコルク原料を100%輸入に頼る日本では、コルク製品の国内生産を可能とし、海外から原料を輸送するエネルギーを減らす効果もある。

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 同ブランドを展開するGOOD DEAL COMPANYの北村真吾氏(上写真)は、「フードロスや多量の水の使用など、飲食店は環境負荷が大きい。その負荷を小さくする活動ができないかと思い(プロジェクトを)始めた」と話す。11年の活動開始から約4年半を経て、昨年12月にテーブルウェアなどのブランド「東京コルク」を立ち上げた。「身近で生まれたものが生活に戻ってくる素材として使える」。国産のコルク原料、またコルク製品として、今後は販売を強化する考えだ。

「東京コルク」オンラインストア:http://thetokyocork.com/

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