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日本エシカル推進協議会
2017/05/02

持続可能なパーム油の利用へ サラヤ・更家社長が講演、第12回エシカル朝食会開催

fukuhara
エシカル日本

 日本エシカル推進協議会(JEI)は先月17日、第12回エシカル朝食会を開催した。石鹸・洗剤製造のサラヤ(大阪市、更家悠介社長、06・6797・3111)の更家社長が講演し、製品に使用するパーム油の調達を巡る世界的な課題と、その解決に向けた同社の取り組みを紹介した。

 エシカル朝食会は、同協議会が1、2カ月に一度開催する会員向けのイベントで、今回は一般社団法人化して初の開催となる。毎回の講師は無償で協力し、これまでに小泉純一郎元首相や三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長などが講演してきた。

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 更家社長は、「サラヤの清流経営」と題して講演。「ヤシノミ洗剤」などの製品を通じたこれまでの環境活動を振り返った。東南アジアのボルネオ島では近年、食用などとして世界的に需要が拡がるパーム油を生産するため、熱帯林が伐採され、ゾウやオランウータンなどの野生生物を含む豊かな生態系が失われている。

 同社は、2004年からボルネオでの自然保護活動に参加。環境保護団体「ボルネオ自然トラスト(BCT)」を通じ、野生生物を回復させるための「緑の回廊」計画に、ヤシノミ洗剤の売り上げの1%を寄付。新たに複数の商品に対し、持続可能なパーム油の認証ラベル「RSPO」を取得するなど、「生物多様性の保護」と「持続可能な油の活用」の両面からパーム油の課題解決を図っている。

 また同社は、アフリカ・ウガンダでの手洗いの普及啓発にも取り組んでおり、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、世界の衛生・環境・健康の向上に貢献する方針だ。更家社長は、「こうした活動の実施を通じ、より良い世の中にしていきたい」と述べた。

 朝食会では、更家氏の講演テーマに関連し、BCTジャパン理事の中西宣夫氏がボルネオでの自然保護活動に関して、WWFジャパン自然保護室森林グループの南明紀子氏がRSPOに関して、特別報告を行った。

環境新聞2017年4月26日付掲載

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