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2015/10/26

オーガニックを「かっこよく」、国内外に発信~rooms エシカルエリア 下

fukuhara
エシカル日本

 エシカルエリアを離れ、メインフロアの中央部で来場者にフードを提供するのは、会員制のオーガニック野菜宅配事業やオーガニックの普及啓発などを行う企業、「SOF」。今回初めて同展のフードエリア全体を監修することとなったエシカルエリアの目玉の一つだ。アジアをイメージし、SOFとアジア料理店などを連携。レタスで食材を包み片手で持って食べられる「サラダラップ」などを提案した。
 SOFが提供するのは、北海道を中心とした全国の契約農家で自然栽培される野菜・果物や、農家が自家採取する「固定種」の種から育った「スーパーオーガニック」の野菜。小さな子を持つ母親の目線で、安心・安全を軸とした食材を扱っている。
 固定種を支援することが、地域の在来種を守ることにつながる。オーガニックの普及を通じた生物多様性保全も訴える一方で、その事業は「トレンディでかっこよくやっていこうというのがコンセプト」。
 「裏方は大変でも、楽しくしたい」――と創業者の大石リカ・デリシャス氏はいう。日本のオーガニック食文化を紹介する英語の季刊誌「OCT」を発行するなど、オーガニックのある豊かなライフスタイルを世界に発信している。
 わずか1世紀前、「昔は農家=エシカルだった」。オーガニックに取り組む農家を支えるとともに、国内外への発信を続けることで普及を推進し、「若い人がエシカルやオーガニックをかっこいいと思えるようにしたい」と述べた。

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 「魅力ある生活、豊かな生活…。人が求めるのは全体感。それをコーディネートし演出するのが自分たちの仕事。楽しんでもらえなければ伝わらないし、広がらない」というのは坂口氏。来月、エシカルエリア海外進出の第1弾として出展を予定する台湾の展示会「PR01.TRADESHOW TAIPEI」(同社主催)に向けて準備を進めている。同氏がエリア開設当時から目指す「日本独自のスタイルを作り、アジアに出していく」初の試みだ。「展示会が育ってきて、次のフェーズが見えてきた。コンセプトを伝えるため、外に出ていく」。
 エシカルな視点が、ライフスタイルを豊かにする――。「デザイン」や「クリエイティブ」の第一線で、エシカルな提案が相次いでいる。企業にとっては差別化になり、一般消費者には馴染みのない社会問題や環境問題を身近にする媒介となる。本格普及にはまだ及ばないが、「持続可能性」時代に向けた市場の変化が垣間見えている。

写真は上から、エシカルエリアディレクター・坂口真生氏が監修したカフェスペース、SOFのスタッフらと大石氏(右から2人目)

2015年10月14日付環境新聞掲載 

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