東京都東久留米市は、豊かな水環境に恵まれた東京のベッドタウンだ。その同市に、この４月にオープンしたユニークなアパートがある。その名は「ツクルメの家」。

　ツクルメとは、「ツクル（作る、造る、創る）の芽」の意味。東久留米にも掛けている。野菜づくり、庭づくり、ものづくり……住む人がいろいろな「ツクル」をしながら、自然を満喫しながら暮らしていくことができるように設計されたアパートである。

【アパートの隣に広がる雑木林が、さらに自然に囲まれている雰囲気にしてくれる】

　２LDKメゾネットタイプの部屋が７戸あり、すべての部屋で無垢材を使用している。その中庭で、家庭菜園やガーデニング等を楽しむことができるようにしたのが大きな特徴。また、イベントスペースもあり、バーベキューや演奏会などを企画することもできる。そのための囲炉裏やトイレ付き倉庫などを、現在設置しているところだ。

 　実は、このアパートを経営しているのは、本格的な農業従事者。なので、家庭菜園のアドバイスなどは、お手のものだ。ときどき様子を見に来ては、クワで耕したりしている。

【中庭を手入れする経営者の秋田茂良氏。左手奥では、住民が自宅用の棚を作っている】

　入居者についてはコンセプトに賛同してくれる人を厳選に審査した。５月末現在、満室である。

　自分で手掛けた畑で収穫した野菜を、小鳥のさえずりを聞きながらいただく――入居者は、自然に囲まれながら、そのような生活を日々送っている。

【「朝、とれたての野菜をウッドデッキでいただくのは、このうえない幸せ」と住民の岩波久美子さん（右）と木村理恵さん。今の季節は、春菊、ラディッシュなどが収穫できる】

ツクルメの家のサイトはこちら（http://tsukurume.com/detail/）から。